その時俺は60mm単焦点をつけてた。フルサイズ換算で90mm相当だからスナップ撮るには被写体と少し距離が出来る。
なんで35mmまたはズームレンズにしなかったのか非常に悔やまれた。
で、どんなモデルバイトしたの?と彼女に質問しました。すると「ブライダル関係とか色々」とのこと。
ブライダルってのは分かる。結婚式場の花嫁役とかだろう。
色々って何だろうと思い、更に質問してみてビックリ。
「雑誌とか」
「雑誌???例えば?」
「例えば・・・年齢層で言えば下は〇〇から上は〇〇まで」と、若者向けファッション誌と中年女性向け雑誌の二つを例に挙げました。
「あと、〇〇(某有名食品メーカー)のCMとか」
なんと彼女はかなり本格的なモデルだったのでした・・・。
そんなこととは露知らず、なんと気楽に声をかけてしまったのかw
10年ほどモデル稼業した後、カメラマンと結婚し、今は雑貨屋を営んでると言っていた。
旦那の知り合いの紹介とかでたまーにモデルの仕事やる程度だけど、もう現役ではないとも言っていた。
彼女は始終座ったままだったけど、時折腕を組み替えてみたり、首をかしげてみたり、自然な仕草で変化をもたらしてくれていた。
彼女は「今は全くモデルモードじゃない、完全に素のモード」と言っていたけど、
知らない男にカメラを向けられて素の状態でいられることが、それこそモデルなんだろうと思った。
彼女がサンドイッチ食べ終わってから話しかけたから、時間はあまりなかった。
10分間ほどで20枚撮ったが、とにかく緊張しっぱなしだった。
しかし、言葉では言い表せないほど、彼女はかわいかった。
ていうか、あんなに楽しい撮影は初めてだった。
ファインダーの中が別世界に思えたし、時空が輝いているように感じた。
彼女が既婚だということに少々落胆しながらも、俺はもう一度意を決して彼女に言いました。
「またもう一度撮らせてくれないだろうか」と。
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